胎内市美術館

建築物データ

所在地 新潟県胎内市
建築用途(種別) 美術館[新築]
延床面積 455.69㎡
木材データ 木材使用量169.65㎥
コンペ応募年度 2017年

応募者データ

名称
株式会社ナカノ設計[設計]
住所
新潟県胎内市平木田1572-1
電話
0254-46-5128
FAX
0254-46-2143

「森や木」への想い

木の付加価値を高めるのは先ずは乾燥。一般流通材並は人工乾燥できるが、丸太材など大径木は人工乾燥が出来ない事が実態である。国の木材利用促進政策の助成を受け、可能な限り地元産出の木材を活用。無駄にしない適材適所に木を使いこなす。
丸太(梁)は、地元産ながら自然乾燥不十分な状態で使う事になる。
完成後に乾燥収縮ヒビ割れが生じる事は、助成金を受けての公共事業特有の宿命と諦めるのか。優良木造建築を推進するならば特殊材の木材調達時間をプラスした工期を設定する必要があろう。

「地域」への想い

芸術文化・市民の文化交流促進と市所有及び寄贈された各種作品の収蔵と展示の場にと施設建設が計画された。
名勝「樽ケ橋」の環境・景観にふさわしい落ち着きと品格を保ち、且つ飯豊連峰の眺望も考慮し実施設計を進めた。
雪の深い地で雪害の影響を考慮し、凍害に強い安田瓦葺きを採用、庇も深くして簡略化された数寄屋風造りが目標とされた。
こうして「和と美の館」が、目標通りに完成したものと云える。

「建築」への想い

展示場は梁間7.28m、梁はやむなく杉の集成材とした。
すたれつつある大工の規矩術(きくじゅつ)の伝承と、次世代への継承の一助となればとの思いから、吹抜け天井にするにふさわしいエントランスと談話室に杉の丸太材(タイコ落とし)を多用する事とした。
通直材でプレカット加工の展示場部分と、大工の手加工された丸太材の結接点での納まり具合は、寸分の狂いがなく見事に接合された事に、改めて大工の技能の高さに敬服し感謝々々・・。