街に溶込む杉板の家

建築物データ

所在地 新潟県新潟市西区
建築用途(種別) 戸建て住宅
延床面積 122.34㎡
木材データ 木材使用量123.51㎥
コンペ応募年度 2021年

応募者データ

名称
有限会社 丸正建設[設計・施工]
住所
新潟県新潟市西区五十嵐2の町9049-2
電話
025-262-2668
FAX
025-262-2890
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「森や木」への想い

森林大国日本の木材は、特に杉は身近な材料で住宅を構成するに適した材料である。
弊社では、構造材は全て県産杉を使用し、枠・床材他は国産材を使用している。
私達と同じ空気を吸い、同じ水を飲んでいる日本の木は、私達の生活に大切な第一次産業の産物で、継続可能という循環型社会の役割を果たすものである。
工務店として、山と住まい手をつなぐ担い手として役割を果たしていきたいと考えている。

「地域」への想い

住宅産業は、全国や県を跨いで営業する必要はなく、地域性を知る地元工務店がつくるべきである。
新潟県は年間降水量が全国より多く、高温多湿な気候である。
軒や庇を出して、呼吸する仕上材を使用するのは住まいにとって必修である。
そして何より、現場で作業する職人も育成していかなくてはならない、そのため弊社は、大工・土木作業員を社員としている。
地域材を使い、地域に合った素材で、地域特性を知る人が建てる、当たり前なことを継続していくことが大事なのである。

「建築」への想い

建物は日本海から国道116号線に向かい傾斜になっていく住宅街にある。北側向きで敷地が道路から1.3mほど盛り土されていた。幸い間口が広い敷地のため1階にLDKと水周り、そしてご夫婦の寝室まで盛り込むことが出来た。2階には三人のお子さんの部屋と広めの納戸を配置。子供室にロフトを希望されたため、建物の高さが高くなるがバランスをとるため、納戸はぎりぎりまで高さを抑えている。庇は日本の家に重要な要素と考えています。外部の仕様はブラウン色の杉の下見張と玄関周りは暗さが出るので、明るいホワイトにした。漆喰そのもの色の白を採用している。なんてことない、昔からある材料である。
アプローチはわざとクランクさせて気持ちの切り替えの演出をしている。
内部はダイニング・リビング上部の大きな吹き抜けが特徴で、2階ともつながるように部屋に開口部や壁のないホールスペースを勉強スペースとしている。住まい手が好みの内装のブラウンを中心にキッチンやパントリー、本棚を設えた。適度な大きさ、適度な配置の収納、そして、6畳ほどの広いデッキを設け、外部との繋がりも家には必要である。デッ周りに植栽を植えてこれから住まい手と共に成長していく姿が楽しみである。