新潟の木と生きる家

建築物データ

所在地 新潟市秋葉区
建築用途(種別) 住宅[新築]
延床面積 82.86㎡
木材データ 木材使用量10.79㎥
コンペ応募年度 2020年

応募者データ

名称
宮﨑建築株式会社
住所
新潟県阿賀野市下一分1421
電話
0250-63-0235
FAX
0250-62-3208
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「森や木」への想い

「新潟は川のおかげで発展してきた」という言葉に共感し、活用が不十分な県産杉に興味を持つようになった。
伐採適齢期を過ぎた多くの杉が山に残されており、それらが放置されることで山が荒れ、地滑りが起こりやすくなる。
災害を防ぎ、輸送エネルギーを抑えるという社会的意義があることから、県産杉の活用を適材適所を考えながら進めたい。
今回の建築においては、杉の質感や肌触りを楽しめるように、主に内部の造作家具、外壁材に県産杉を使用した。

「地域」への想い

板張りの街並みは日本古来のもの。地元の杉でつくられる美しい風景を未来へつないでいきたい。
近年は安価で施工しやすい窯業系サイディング等の新建材が使われることが多いが、それにより板張りの技術が継承されにくくなっていることにも危機感を持っている。
また、「木の外壁は腐りやすい」という誤解が広がっているが、杉板はメンテナンスフリーで耐久性が高く、山に杉がある限り同じ材料を入手できる。そんな身近な資源である杉の活用を体現し、啓蒙していきたい。

「建築」への想い

外壁の杉板は横張りと縦張り+ルーバーの2種類で仕上げており、ポーチ周りにも目隠しのルーバーを設けることで、リズムと表情をつくり出した。
杉板は水に強いが、常に水にあたる環境では腐朽しやすくなる。
それを避けるために高基礎にし、地表で跳ね返る雨水を受けないようにしている。
内部では、食器棚、本棚、飾り棚等に杉の集成材を使用。
子ども部屋のロフトベッドにも使っており、木の香りに包まれながら眠ることができる。
造作家具は無骨にならないよう、すっきりとした納まりにした。