佐渡金銀山ガイダンス施設 きらりうむ佐渡

建築物データ

所在地 新潟県佐渡市
建築用途(種別) 博物館その他これらに類するもの
延床面積 1,093㎡
木材データ 木材使用量11.2㎥
コンペ応募年度 2021年

応募者データ

名称
株式会社 近藤組[施工]
住所
新潟県佐渡市相川大間町45
電話
0259-74-3200
FAX
0259-74-2730
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「森や木」への想い

佐渡市は豊富な森林資源に恵まれています。森林の適正管理、林業・木材産業など地域経済の活性化等により、森林が有する多面的機能の持続的発揮と資源循環型社会の形成を考慮し、地元産杉材を積極的に採用しています。
また、木材は断熱性や調湿性等に優れ、衝撃を緩和する効果が高い等の性質を有するほか、木の香りや木目の癒し効果、木肌の温もりが感じられるよう来館者が多く目にする内装材(展示ホール、コミュニケーションスペースの壁、天井)に多く採用しました。
さらに、佐渡金銀山のゲートウエイとなることで、史跡の価値を伝えると共に情報発信や地域のコミュニティーの拠点となり、木の良さを実感する機会を幅広く提供する事ができます。

「地域」への想い

計画地は「史跡佐渡金銀山遺跡」の主要な遺跡である相川金銀山跡を有する相川地区の海側市街地の一画に位置します。
その相川地区は鉱山が稼働していた時代の地割りや町家等、相川金銀山と共に発展してきた鉱山町であり、今も産業景観は現在もほぼそのまま継承されています。
相川には採鉱から選鉱、精錬、搬出に至るまでの一連の設備が今に残されており、鉱業生産の流れを追いながら見学することが可能であり、鉱業のプロセスを理解することができます。
鉱山地区の生産機能、上町地区の居住・行政機能、下町地区の流通・行政機能が、金銀採掘の盛衰に伴い動的な関係を構築しつつ展開してきた相川の歴史的変遷を示す文化的景観地と繋がりを持たせた計画としています。

「建築」への想い

本施設は相川周辺の史跡への出発点として、敷地の中央に西(海側)と東(相川下町)を結ぶ佐渡金銀山へのゲートウェイの軸線を設定し、相川のまちへとつながり、来訪者と地域住民の運営への参画による交流を通じ、まちの賑わいを創出する交流広場として、相川のまち並みを模した屋外の路地(中庭)空間を提供しています。
建物の機能としては、中庭を中心に対となる2棟の建物構成としています。

展示ガイダンス機能:佐渡金銀山の価値を伝える情報発信の拠点
管理運営機能:管理運営・保存管理・調査研究の拠点

建物は平面計画、立・断面計画とも極力シンプルな形態とし、2棟の建物によりまち並みを構成しています。
相川の建物の屋根形状は切妻屋根、向きは街路に対して多くが平入りで構成されることから、本施設は下町で構成される景観との調和を考慮し、下町に向かう新たなゲートウェイの軸線を街路に見立て、この街路に沿って平入りとなる切妻屋根としています。