ララスマイル

建築物データ

所在地 新潟県新潟市秋葉区
建築用途(種別) 児童福祉施設等/寄宿舎
延床面積 368.71㎡
木材データ 木材使用量108㎥
コンペ応募年度 2021年

応募者データ

名称
有限会社 神田陸建築設計事務所[設計]
住所
新潟県新潟市秋葉区新津本町4丁目13番28号
電話
0250-47-4901
FAX
0250-47-4902
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「森や木」への想い

お客様から「何の外壁が1番長持ちしますか?」とよく聞かれます。
僕たちは迷うことなく「木の外壁です!」と答えます。

〝長持ち″の意味合いにも色々あると思います。耐久性やデザイン性、メンテナンス性も含め観点は色々です。
耐久性において木材は古来より地域ごとの厳しい風雪や海岸沿いの塩害にも耐え、今では耐火性にも優れた木材が開発されています。
デザイン性で永遠のスタンダードである木目の意匠は時がたつごとに風合いを増し味となります。
メンテナンス性においても木材は既製品の新建材のように廃盤になることはありません。
本当の意味での長く使える・味わえる材料は木材がベストだと考え、僕たちの作品には必ず無垢の木材を内外問わず使用しております。

「地域」への想い

この放課後等デイサービスは2012年の児童福祉改正法により、その在り方を見直しされました。
それまでは障害の種類別に施設が分かれており、大勢の大人の中にポツンと子供が1人で遊んでいるような場面も見られました。
また、新潟のような地方都市では様々な偏見から障害者福祉施設は人目のつきにくい山の中や海岸沿いに多く建設され、隔離さえれたような生活を送っていました。
この状況は決して当たりまえではない!!すべての子供たちが当たり前に町の中で笑い合い、平等に豊かな経験をし、そして安心を感じることができる、そんな地域のシンボルとなるような建築をハード面・ソフト面も踏まえ設計しました。
今では町の風景の一つとして日常の笑い声や地域のイベントの場として活用され、この地に親しまれているようです。

「建築」への想い

① 施設名(ロゴ)にも表現されているように、利用する子供たち、そのご家族、施設スタッフがワクワク笑顔でここに通えるように、建物コンセプトを"リズム"としました。外観でもこの"リズム感"を表現するためにシルエットを凸凹に。
使用する材料もあえて材種やカラーを多種使用し、ワクワク感を膨らませています。
② 建物内部には暖かな木質の仕上材をメインとして採用しています。リズミカルに組まれた天井ルーバーは楽し気な空間を演出、メイン通路である事の感覚的メッセージ、また、大声で走りまわる子供たちの声の吸音効果にも一役かっています。
③ お庭の植栽にも常に移り行く四季の中で五感が柔らかく刺激されるような配慮と工夫を凝らしています。例えば 春、踏みしめるたびに立ち昇るタイムの香り。夏にクローバーで花かんむりを作って遊ぶ楽しみ。秋には不思議なくらい色を変化させるモミジに心を躍らせ。冬の雪化粧の中でクリスマスツリーが子供たちを「また明日!」と見送ります。
この建物を拠点に地域との交流も始まっています。障害者施設が特別なものでなく自然に地域に受け入れられ、なじんでくれること。これを一番うれしく思います。