木づかい建築コンペ応募作品集
HYGGE(ヒュッゲ)
建築物データ
所在地 | 新潟県新発田市富塚町 |
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建築用途(種別) | 住宅 [新築] |
延床面積 | 110.19㎥ |
木材データ | 木材使用量14.7㎥ |
コンペ応募年度 | 2020年 |
応募者データ
- 名称
- 株式会社石山建築事務所[設計・施工]
- 住所
- 新潟県新発田市富塚町1丁目1-1
- 電話
- 0254-26-2866
- FAX
- 0254-26-3082
- メール
- ishiyama@inet-shibata.or.jp
「森や木」への想い
木で家をつくることは、四季のある日本においてとても理にかなっていると思います。寒い冬や暑い夏に室内の環境を一定に保つ上で、骨組みである構造材が木であることは鉄骨等に比べればはるかに有利に働くからです。さらに、湿気の多い時期や乾燥する時期には、木材の持つ調湿作用も大いに役立ちます。また、家がその役目を終え、解体された時に木材は再利用できるという利点もあります。その他、この家の外壁には無塗装の杉板を採用していますが、木の外壁はその厚み分だけ耐久性があり、表面のコーティングがダメになれば劣化してしまう窯業系サイディング等よりも永く使用することが可能です。
「地域」への想い
家は施主個人の所有物という私的なものでありながら、「景観をつくる」という公的な側面もあります。この家が建つ敷地は、隣が公園であるという地域に開いた立地です。それゆえに、殊更この家の外観は施主の独りよがりなものであってはいけないと思いながら設計をしました。この公園は東に飯豊連峰を望み、新発田の山である二王子岳が良く見えます。そこで、その山に呼応するように屋根は切妻屋根としています。また、公園を利用する人に圧迫感を与えないように、公園側の外壁には自然素材である杉板を無塗装のまま使用しました。
「建築」への想い
持続可能な社会において、建築物は永く使われる必要があります。そのためには、未来を見据えた性能を持たせなければならないと思います。具体的に言えば、少ないエネルギーで冷暖房できる高い断熱・気密性能や、大きな地震が来ても致命的な損傷を受けることなく住み続けられる耐震性能です。この家は、UA値0.31W/(㎡・K)、C値0.2㎝2/㎡の超高気密・高断熱性能に加え、許容応力度計算を行い耐震等級3の耐震性能を持たせています。また、インテリアについては家自体は極力シンプルにまとめ、置き家具や照明器具でコーディネートするようにしました。こうすることで、容易にインテリアの雰囲気を変えることが可能となり、流行にながされることがなく年数が経っても古びれることもありません。その結果、世代を超えて住み継ぐことも可能となります。