木づかい建築コンペ応募作品集
山口育英奨学会観音堂(六角堂)
建築物データ
所在地 | 新潟県長岡市 |
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建築用途(種別) | 仏堂[新築] |
延床面積 | 15.27㎡ |
木材データ | 木材使用量22.249㎥ |
コンペ応募年度 | 2022年 |
応募者データ
- 名称
- アトリエ縁[設計]
- 住所
- 新潟県新潟市西区内野町774-1
- 電話
- 090-8263-7695
- FAX
- 025-311-0596
- メール
- info@atelier-enn.com
「森や木」への想い
社寺建築では木肌が表しとなり、構造=意匠である部分がほとんどであるため、木材の品質により仕上がりの美しさ、耐久性等に大きく影響がある。また、大断面材は一般流通材に比して入手に手間・時間がかかり、一般の建物に増して木材管理に厳格さが要求される。
当該建物では設計者、宮大工、木材業者の三者協働で大径木に適した産地・樹種を選び、また、品質には特に気を配り、柱材には吉野桧、頭貫等の構造化粧材・横架材には米ヒバ材(いずれも目詰みの赤身材、かつ天然乾燥材)を用いた。仏堂という建物の性格、所有者の末長く存続して欲しいという願いとあわせて、高耐久化と外観の美しさを両立した。
当該建物では設計者、宮大工、木材業者の三者協働で大径木に適した産地・樹種を選び、また、品質には特に気を配り、柱材には吉野桧、頭貫等の構造化粧材・横架材には米ヒバ材(いずれも目詰みの赤身材、かつ天然乾燥材)を用いた。仏堂という建物の性格、所有者の末長く存続して欲しいという願いとあわせて、高耐久化と外観の美しさを両立した。
「地域」への想い
所有団体(建築主)は博物館などを運営し、当家先人の近代化事業の業績や郷土史を今に伝えている。当堂はこの一役を担うものであり、敷地内の他建物と合わせて見学者の目を楽しませると共に文化的な景観を創り出している。
当地は豪雪地で冬季は約3mの積雪があるため、軒の深い建物でも雪囲いが設置できるよう仮設支柱等を用意し、かつ、冬季以外は外観に影響を与えないよう配慮した。
伝統構法により建築され、木工事だけでなく銅板葺き、錺金物など一見なんでもなく見える部分にも職人の高度な技術が用いられており、このような仕事の創出は伝統技術を後世に伝える一助となると考える
当地は豪雪地で冬季は約3mの積雪があるため、軒の深い建物でも雪囲いが設置できるよう仮設支柱等を用意し、かつ、冬季以外は外観に影響を与えないよう配慮した。
伝統構法により建築され、木工事だけでなく銅板葺き、錺金物など一見なんでもなく見える部分にも職人の高度な技術が用いられており、このような仕事の創出は伝統技術を後世に伝える一助となると考える
「建築」への想い
当建物は団体敷地内の建物群から離れた丘の上にあり、その高低差は30m程度である。やや難のある敷地だがこれを逆手にとって活かし、観音堂は遠景や各方向から見上げた際にシンボリックな存在となるように六角堂とした。六角堂としたことで、見学者が複数ある参道のいずれから見ても正面性を感じられるようにした。丘の上までは車両で木材を運搬できず手運搬となるため、六角形とすることで一辺あたりの材長を小さくするという効果も得た。
設計には近世社寺建築の伝統的な木割りを用いたが、AR(拡張現実)を用いた仮想空間で総反りとした軒反りの詳細確認を行うなど、最新技術との融合を図った。
設計には近世社寺建築の伝統的な木割りを用いたが、AR(拡張現実)を用いた仮想空間で総反りとした軒反りの詳細確認を行うなど、最新技術との融合を図った。