ハコニワ

建築物データ

所在地 新潟県柏崎市
建築用途(種別) 複合用途施設[改修]
延床面積 1202.6㎡
木材データ 木材使用量157.6㎥
コンペ応募年度 2022年

応募者データ

名称
株式会社 東海林健建築設計事務所[設計]
住所
新潟市中央区西大畑町591-1 異人池ハウス202号
電話
025-227-6639
FAX
025-227-6636
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「森や木」への想い

内部の7つの木造の箱の構造材や仕上げ材、そしてハコニワ内のほとんどの床材にはこの土地の杉材を採用している。近くの材料を採用することが決して合理的ではない現代だが、多くの方々に協力をして頂くことで地材地建が実現できた。子供達が眺め指をさすあの山で採れた木材でハコニワを作り、その木材に触れてもらうことは、設計者としては何としても実現しなくてはならない譲れない価値であり、これもまた里山と町の境界を弱くし近くにする設計の一つであった。

「地域」への想い

水田と里山を背に、里山と町の境界とも呼べる位置にハコニワがあり、それらを有機的につなぐ、まさにどこからでも入ることができ、大きく開けた「境界の弱い」公園のような施設を目指した。
工場という用途のため周辺の豊かな環境に対し閉じていた建物に大きく開口を設け、人を呼び込むと共に様々な自然環境を屋内に取り込んだ。また、ハコニワ内の大きな木工家具は近くの新潟工科大学の学生たちとの協働により作った。多くの人々、里山、大学を巻き込み、プロジェクトを進めるごとに私たちのデザイン対象は一つの旧サッシ工場を越えて、広いエリアの可能性を繋いだ。

「建築」への想い

大きな旧サッシ工場の空間に7個の木造の箱を屋内と屋外、半屋外と屋内を跨ぐように配置し、それらを杉デッキ材の床でつないだ。屋外と屋内の境界がより曖昧となり、屋外から屋内そしてまた屋外への移行がシームレスに、町とハコニワそしてそこから水田や里山への移行がよりシームレスに感じられるように計画した。
長い時間を経て多くの人との関わりを超えて現在に在る実空間を活用するリノベーションにこそ、多様な関係性やコミュニケーションを創出する可能性があり、結果としてSDGsといった社会的要求にも応えられると期待している。