木づかい建築コンペ応募作品集
三川観光きのこ園
建築物データ
所在地 | 新潟県東蒲原郡阿賀町 |
---|---|
建築用途(種別) | 2階建て食堂[新築] |
延床面積 | 178.5㎡ |
木材データ | 木材使用量49.81㎥ |
コンペ応募年度 | 2017年 |
応募者データ
- 名称
- 桜井木材建築株式会社[設計・施工]
- 住所
- 新潟市南区上下諏訪木107番地第1
- 電話
- 025-373-2325
- FAX
- 025-373-4711
- メール
- kaneri@axel.ocn.ne.jp
「森や木」への想い
高温多湿の我が国では、耐久性からみても木造が一番である。湿度の高い季節には湿気を吸収し、厳しい冬期ともなれば、水分を発散して湿度を一定に保ってくれる。建物になった後も木材は呼吸し生きている。この建物は、食堂ゆえに2階の登梁・小屋梁や床板、更に屋根板(66ミリ)と太く・長く・厚く工夫した。周囲の森と比較しても、太い丸太仕上げの重量感が、県産材の特異性を来訪する人々に強い印象を与えている。
「地域」への想い
建築地は新潟県と福島県の県境いである東蒲原郡阿賀町の山間部にあり、最良の「きのこ」栽培・販売に適している土地柄である。すぐ側を阿賀野川の急流がとうとうと流れ、鬱蒼とした森林に囲まれている景観との調和を最も重視した。風通しや採光を考えて明るく広々とした空間をつくり、木が持っている親しみ易い柔らかさも兼ね備えたものにすること。更に豪雪地帯でもあり、雪下ろしをしなくてもよい強靭な構造に仕上げた。
「建築」への想い
遠くから建物を見た時、雰囲気・高揚感があり、客をもてなし迎える心をさり気なく表現する手立てとして、屋根の桁の端々を50センチずつ上げる(反り)という難仕上げの構造とした。つまり、しなやかな曲線が軽みを引き出し、豪華さと躍動感とを生み出すからである。昨今では、効率化が優先され、丹念に造りあげていく建築物が少なくなった。そういう時代であればこそ、施主の要望に応えるべく丹念に仕上げた。