木づかい建築コンペ応募作品集
ジグザグするオフィス
建築物データ
所在地 | 新潟県小千谷市 |
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建築用途(種別) | 事務所[新築] |
延床面積 | 136.55㎡ |
コンペ応募年度 | 2020年 |
応募者データ
「森や木」への想い
豊かな森林資源を背景に身近な木という素材は、これまでもふんだんに建築に使用されてきた。そのため知恵と経験が蓄積され施工技術の向上とともに規模や用途を問わず多彩なあり方を表現できるものである。セルフビルドを可能にしたり、地産材と地域のネットワークを用いた実践を行うこともできる。また木は建築と自然を緩やかにつないでくれるものであり、同時に新しい可能性、現代的な柔軟さを導き出してくれるものである。
「地域」への想い
この敷地のまわりには田んぼが遠くまで続く長閑な風景が広がる.春から秋にかけて青田や黄金の稲穂など目を楽しませ心地よい風が吹く。そして秋の終わり頃から灰色の空と雨が続き次第に雪へと変わる。そんな景色を少しでも窓から取り入れたいと思ったが、ずっとこの場所で仕事や生活をしてきた施主には見慣れすぎているのだろう、そんな必要がないと言われた。それでも仕事の合間にふと手を止めて窓の外を見るかもしれない。そしてその見慣れている風景の向こうがずっと続いていることが心がやるまるのではないか。そんな窓の取り方を考えた。
「建築」への想い
梁や垂木などの架構は見せず、あえて棟を支える柱のみを視覚に残した。ジグザグと折れ点をもった内部空間に沿って柱もジグザグと連続して続いていく。そしてその柱はそのまま遠くに見える森の中に繋がる。建築の中に風景を入れその風景が蛇行する転換点を持たせることにより、仕事中でも自然に意識の切替えを行えるようにした。建築とその周辺の要素をバランスよくつなげることで自由で心地よい空間をつくることを試みている。